観戦ガイド

観戦ガイド
4年ぶりに苗場スキー場にやってくるアルペンスキーワールドカップにいがた湯沢苗場大会。2月22日(土)に男子ジャイアント・スラローム(GS)、23日(日)に男子スラロームが行なわれます。世界最高峰の技術を間近に見るまたとないチャンス。ぜひ会場に足を運んでトップレーサーたちの滑りの真髄を体感してみてはいかがでしょうか。

日本ではあまり “見るスポーツ” として定着してはいないアルペンレースですが、ヨーロッパでは冬の一大イベントとして人気を博しています。アルペンレースの聖地と言われるキッツビュール(オーストリア)のハーネンカム大会は、週末3日間で10万人を優に超える観衆が集まりますし、シュラドミングドミングのナイト・スラロームは、平日の夕方からのレースにも関わらず6万人近いファンが山奥の小さな村に集結します。そんなスキー文化に育まれてきたアルペンスキー・ワールドカップ。実際目のあたりにすれば、その迫力に魅了されることは間違いありません。


キッツビュール
キッツビュールのダウンヒル。
大観衆の待つゴールに向かって疾走する。
シュラドミング
平日の夜のレースに6万人近い大観衆が集まる
シュラドミングのナイト・スラローム。

では、にいがた湯沢苗場大会の見どころは、どんな点にあるのでしょうか。
まずコースプロフィールですが、GSコースの標高差は450m。これは国際スキー連盟(FIS)の定める規定の上限ギリギリです。スケールの点でワールドカップ有数のタフなコースといえるでしょう。スタートは大斜面ゲレンデの中間付近の標高1375m地点。その名の通り、遮るもののないオープンなゲレンデで、スタート直後からトップスピードに乗って大斜面をぶっ飛ばすことになるでしょう。その後短い緩斜面をはさんで、男子リーゼンスラロームバーンに飛び込みます。ここはややコース幅が絞られ、さらに斜度的にはこの区間がもっとも急。わずかなミスが即転倒につながりかねないテクニカルなパートです。そしてこの難所をクリアすると、コースはほぼ直角に左にカーブし、緩斜面をトラバースしてプリンスホテル正面の第3ゲレンデへと続きます。ここからフィニッシュまでは中・緩斜面。ただし何箇所か大きなウェーブがあり、けっしてやさしい区間ではありません。おそらくコースセッターは、このウェーブを利用して “罠” を仕掛けるでしょうから、セッターの意図を読んで的確に対応しないとあっという間にトラップの餌食となってしまいます。いかにスキーを浮かさずスムーズなラインでターンをつなげるか、レーサーには単にテクニックのみならず高い戦略性と判断力が求められます。トップ選手たちがどんなラインでここをクリアするか、大きな見どころとなるでしょう。そしてプリンスホテル6号館前のフィニッシュエリアにゴール。前回大会の優勝者、アレクシー・パントュロー(フランス)のタイムは、1本目1分16秒45+2本目1分17秒78=2分34秒23という記録でした。

前回大会GS前回大会のGSコース。このようなウェーブがいくつも連続し、最後まで気を抜くことができない。


一方スラロームは、第3高速リフトの降り場付近からスタート。すぐにGSコースと合流してそのままほぼ直線的にフィニッシュに向かう標高差200mのコースが使われます。目のくらむような急斜面はありませんが、前述のようにウェーブの処理が大きなポイントとなるでしょう。どちらかといえばパワー系のスラローマーに有利といえますが、そこにどんなコースがセットされるかでレース展開は変わります。なかなか予想のつかないレースとなりそうです。前回は優勝候補のマルセル・ヒルシャー(オーストリア)が1本目途中棄権、ヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)も7位に沈むという波乱の展開でしたが、果たして今季は誰がこのコースをもっとも的確に攻略するのでしょうか。
にいがた湯沢苗場大会が他のワールドカップ会場ともっとも異なる点、それはレース前のウォーミングアップに使われる練習コースが、フィニッシュエリアのすぐ上部に設けられていることです。
通常ワールドカップの練習コースは、スタート地点のさらに上部か、レースコースとは離れた場所に設けられているので、観客が選手のゲートトレーニングやフリースキーを見るチャンスはほとんどありません。ところが、にいがた湯沢苗場大会に限っては、誰もが見ることができる場所にあるのです。したがってレース当日インスペクションの前後にフリースキーやゲートトレーニングをする選手の滑りを間近に見ることができます。ワールドカップ選手のフリースキーを見るチャンスはテレビでもなかなかないので、こんな幸運に恵まれているのは、言ってみれば世界中で日本のファンのみ。アルペンレーサーはもちろんですが、基礎スキーヤーにとっても彼らの滑りは多くのヒントやインスピレーションを与えてくれることでしょう。

コースの遠景写真フィニッシュエリアから見上げる大会コースと練習コース(右側のネットに囲まれたスペース)。
これはワールドカップでも他に例のないユニークなレイアウトだ。

なお、チケットは現在絶賛発売中。今回はフィニッシュ正面のスタンド席も増設され、ちょっと贅沢な気分でレース観戦したいという人に最適です。またフィッシュエリアを囲むように設けられた立ち見席はリーズナブルな価格設定。練習コースを滑る選手をより身近に感じるには、むしろこちらのほうがいいかもしれません。
いずれにしても、全スキーヤー必見のアルペンスキー2020ワールドカップにいがた湯沢苗場大会は見どころが満載。是非会場にお越しください。